*ごめんあそばせ*

KOCパーシャの気紛れ日記。少しずつ過去記事を再公開中。大陸閉鎖後も暫く書きつづりま・・・す多分。

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「この広い薔薇のテラスで」 4

諦めていたのに、諦めきれずに手を差し伸べたら、そこに在った。
神にも運命にも頼ったことはなかったが、すべてが努力の賜物などとは到底言えない。





○月×日

あの子はいつも本をよんでばかり。

かお色もわるくて、もっと外であそぼうよって言っても、こっちのほうが楽しいからって言う。

あの子はがんこ。
がんこだけど、なんでもできちゃう人気もの。

おりがみが上手だから、青色のおりがみでバラをおってほしいとおねがいしたら、
なんかぶつくさ言いながらおってくれた。

とってもきれいなバラだった。やっぱりすごいな。

ほんものの青いバラをさかせるのと、ガラスの青いバラをさかせるの、
どっちがむずかしいかなってきいてみた。

あの子は何てこたえたっけ?

もう1人の子からもらったアイスがとけておちそうで、ききのがしちゃったよ。



自分の背中は見えない。
だからこれは現実で、夢ではないのだった。

1本の茎の先にかかる白い袋をはずす。
膨らんだ蕾、1枚ずつ折り重なるように開きかけた花弁。女の思い描いた通りの色と形がそこにある。

棘が女の指に、つ、と朱の珠をつくったが気に留めない。

二股に分かれた枝の先、異なる色合いの2つの薔薇。
挿し木でおこる突然変異の最たるものかと思う。

偶然でなくてはならない。同じものは要らない。

ただ一度でいい、ずっと咲かせてみたかった。
何故と問われれば今ならハッキリ答えられる。

抱いた想い、与えられた想い、その全て。薔薇で以て表現してみたかった。
彼と同じ瞳の色のこの薔薇を、咲かせることができたなら。
この世にこの命に限りがあっても、在った証を残せるではないかと。想いも自分も、残したいと思わせたのは貴方。

斜に鋏をいれたその根元、アイボリーの細いリボンを結んで。
最初で最後のこの花を愛おしむように名を呟いた。


・・・リオス(rios)、と。



此処から見える景色は、いつしか当たり前になっていた。
もはや廃れた城塞都市の街並み。長閑な田園風景より、よほど見慣れて寂寥感もわかない。

見慣れない景色がそうでなくなるように。
空気も風も水も土だって違っても、いつしかそれが自分の普通になってゆく。

特別なものを除いては。



あの日。仕合後に眠り続けた彼が目を覚ます、あの瞬間。

重そうに持ち上げられた瞼、のぞいた瞳の、美しさ。
「理由」が全て繋がって、何がピースで何が足りていなくて何が在るのか、すぐに把握できた。

これまで誰かの瞳をまじまじと見ることなど数度でもあっただろうか。
けれど、あの瞬間の「色」を忘れずに居たいと思った。

いっそ泣いてしまいたかったけれど、この想いをなんと表現すれば良いのか術がないまま。
形にしたら彼に伝わるだろうか?
唯一打ち込んで懸けられるかもしれない、薔薇の改良によって。


形で遂げた今なら一言、愛だと言えるだろうか。

・・・言ってあげない、こともない。

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