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*ごめんあそばせ*

KOCパーシャの気紛れ日記。少しずつ過去記事を再公開中。大陸閉鎖後も暫く書きつづりま・・・す多分。

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遠くへ 3

医師の君を見送って、とうに日付が変わった深夜。
女は未だ男の眠るベッドの傍に居た。

部屋の隅からスツールをずるずると引っ張ってきて、腰掛ける。
・・・思えば誰かの寝顔をこうして見るのは初めてだと言うことに気付く。
(姫とは先日眠ったが)

眠っているから当然、瞳は閉じていて。
静かな寝息が聞こえるだけ。

女はベッドに頬杖をついて、眠る男の睫の先をじっと見つめながら、ふと知り合った頃のことを思い出す。





集いの間で貼紙を見て、いつものことながら気紛れに訪ねた男の城。
退屈凌ぎに武勇伝を聞かせて頂戴・・・と言ったのが始まり。

宜しく、と言われて唐突に差し出された手に(握手しようとしただけとはわかっていても)、おそらく気付かれなかっただろうが一瞬眉を顰めもした。

接触行為は苦手。
・・・と言えば良かったのだが。
初対面でキツく言うのも・・・と少々戸惑いながらも短く握手を交わし、男の所望通りにアールグレイの茶葉を持ち寄ってお茶の時間を楽しんだ。


「・・・パーシャって呼んで平気か?」
「・・・・・・」

3度目くらいのお茶の時だったろうか。
男の呼び名を少し変わったものにしていた(名前の後ろ3文字をとった)理由を、「普通に呼ぶのも詰まらないから」と言った女。

対して男は、呼び捨てで良いかと確認をとってきた。
律儀と言えば律儀かも知れないし、女が基本呼び捨てにされるのを好まないのを薄々知っていたのかどうか。

まさか、当時女にとって最優先に考えていた対象1人にしか呼び捨てにされていなかった事実は、知らないに違いなかったが。

「・・・構わないわ、呼び捨てでも。好きに呼んで頂戴」

彼是考えた挙句、『呼び捨て可』の人数を2人に増やしたのだった。


それから後。
ある夜会で話題にあがった黒蠍での出来事を調べるべく、偶々星屑の宴に向かって出奔中だった男を捕まえた女。

ただその都合だけで男を選んだに過ぎなかったのだが。


・・・そう、ただそれだけの切欠。




男の睫を見つめるのにも飽きた女は、立ち上がって暖炉の傍に行き薪を焼べる。
月の光ばかりが差し込む部屋に火の粉が散った。

「・・・・・・」

いつもはお茶しながら話してばかり居たから、この空間には違和感ばかりが転がっている。

目覚めないわけではないし、待つのは辛くない。
その点に関しては安心して待てるのだが・・・

(・・・何故こうも落ち着かないものかしらね?)

ぼんやりと考えながら閉めたままの窓から月を眺めて、その理由を探る。

そうして何となく自覚出来そうで出来ぬまま。
女は1つ大きな欠伸を噛み殺して、隣の自室に戻ったのだった。

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パーシャ

Author:パーシャ
ニックネーム:P子

【基本】
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出身*? 何処かの永久凍土
仕官国*オルトゼス
スキル*放置プレイ、毒舌、植物作物の世話

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*カテゴリ説明*
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